「京都花街 舞妓と芸妓のうちあけ話」 〜芸・美・遊・恋・文学 うちらの奥座敷へようこそ〜 (淡交社)  相原恭子著
「Kyoto The story of Mako & Geiko」 (published by Tankosha)  written by Kyoko AIHARA


  京都花街と長いお付き合いを続ける著者ならではの一冊

おかあさん、芸妓さん、花街にかかわる人々が
実名で人生を語り
ノスタルジックな思い出の写真も多数掲載。

目次:

第一章 芸 

「大正・昭和・平成の祇園に生きて」 〜うちが育った大好きな祇園町〜
祇園甲部 元芸妓 桃子 (中西桃子さん)

「芸こそ人生」 〜見て学び盗むもの〜
上七軒 お茶屋「大市」 四代目女将・芸妓 福鶴 (多 弥栄子さん)

◆ 舞妓さんに聞きました 芸のお稽古はどんなですか?
◆京都花街 歴史をつくった奥座敷(その1)

東京遷都の後 都を再生させた “芸妓と舞妓の芸”
博覧会で世界に日本の芸をアピールした“都をどり”


第二章 美・礼儀・作法

「十五歳で芸妓 三七歳で女将 可愛い舞妓を育てる日々」
先斗町 屋方・お茶屋「丹美賀」二代目女将 舛田和代さん

「祇園の文化を未来へ 舞妓を育てるおかあさん」
祇園甲部 お茶屋 「つる居」 二代目女将 田中泰子さん

「数え年九歳で奉公 芸妓生活五七年」
先斗町 芸妓 三代治 (岸田武子さん)

◆ 舞妓さんに聞きました 別嬪さんになるには?
◆ 京都花街 歴史をつくった奥座敷(その2)

西洋人をも魅了した美の化身 富豪に見初められたモルガンお雪


第三章 粋な遊びの世界

「花街と重ねた八五年の春秋」
幾岡屋 五代目店主 酒井小次郎さん

「愛される“お説教”のお茶屋」
祇園甲部 お茶屋 「岡あい」 二代目女将 檜垣美代子さん

「中学三年生で住み込み 女将となり先斗町に生きる」
先斗町 お茶屋 「井雪」 四代目女将 中西超子さん

「内側と外側からの人づくり」 
〜芸を通したお客さんと芸舞妓との遊びの接点を大切に〜
宮川町 お茶屋・屋方 「花傳」 女将 武田伊久子さん

◆ 舞妓さんに聞きました おもてなしで気をつけていることは?
◆ 京都花街 歴史をつくった奥座敷 (その3)

『一見さんお断り』が作る 粋な遊びの世界
お座敷遊び

第四章

「数え年十三歳でお店出し 旦那さんと結婚して幸せな日々」
祇園甲部 元芸妓 加津代

「女学校を中退して芸妓に 
旦那さんが建ててくれた南禅寺界隈の邸宅」

祇園東 元芸妓 つね勇 (植村日出子さん)

◆ 舞妓さんに聞きました 好きなお客さんとは、どんな人?
◆ 京都花街 歴史をつくった奥座敷 (その4)
幕末の京都花街 明日をも知れぬ男たちと芸妓の恋
◆ 京都花街 歴史をつくった奥座敷 (その5)
明治・大正・昭和 文学の生まれ出る花街

あとがき
あとがき より

 書き終わって、たくさんの人たちの顔が目に浮かびます。おあかさん、芸妓さん、舞妓さん、花街の人たちとの長いお付き合いなしでは、書くことのできない本でした。
 今回、皆さんとのおしゃべりの中で出たお話、様々な機会にふと聞いたお話など、様々なことをまとめました。
 大きいねえさんたちのお話の中に、吉井勇、谷崎潤一郎、水上勉、堂本印象、吉川観方などの著名な作家・芸術家や、おれん、松本佐多、磯田多佳など有名な芸妓さんも登場します。歴史上の人物とお付き合いがあったとは、まさに生きた歴史を感じました。
 
「本に書いて、よろしおすか?」と何度も確認しました。プライベートなこと、旦那さん、結婚、辛かったこと、嬉しかったことなどが、たくさん出てくるからです。それでも、「どうもない」、「よろしおっせ」、「記念になりますわ」などと、答えて下さり、ここに公開することにしました。
 それぞれの人生を、その人らしく、熱心に生きてゆく姿に接し、
美しい強さを感じました。当然のことながら、苦労ばかりの人生も、幸せばかりの人生もありません。そして、それが人生なのだと、改めて思いました。
 私も勇気づけられ、快い気持ちです。
 ご登場くださった皆さん、ありがとうございました。

2012年2月 京都にて       相原恭子


本書に掲載の写真より・・・

昭和17年に、芸妓でお店出し。つね勇さん、17歳。

三代治さん(左)。昭和30年代に、芸妓でお店出し。

胡弓の名手で、富豪モルガンに見初められ、明治時代に国際結婚した祇園の芸妓ユキ

芸術家が贔屓にした「ぜんざい屋 明保乃」。写真は大正初期。その後、屋方を始めた。中西みよさんの実家。

先斗町「丹美賀」のおかあさんの芸妓時代。(芸妓・卯の静)昭和20年頃。

元祇園の芸妓が、パリで、トップモードに身を包み、フランス語を話し、上流社会に生きた。モルガンお雪。

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